2009年9月11日金曜日

裏鍵幻宴理論:ダメージレースを制する

幻想ノ宴において、大半のゲームは「ダメージレース」、つまりプレイヤー双方がお互いにダメージを与え続ける展開になっています。
当然ですが、ダメージレースで勝つ条件は「先に相手リーダーの体力を0以下にする」ことです。ポイントは、「先に」です。つまり、相対的なものです。こっちの打点が低くても相手の打点を更に押さえれればいいし、こっちの打点が高くてももっと高い打点でやられ続けるとこっちが負けます。大事なのは絶対数ではない。大事なのは「差額」です。


 ダメージレースにおいての三大差額をリストアップすると:
・初期体力差
・総呪力差
・呪力損耗差
となります。順に追って説明しましょう。

初期体力差

そのままです。輝夜対フランなら初期体力差8、魔理沙対紫なら初期体力差-1です。
幻想ノ宴はリーダーの体力を0にするゲームですが、そのリーダーの初期体力値が違うのがミソです。構築の時点で輝夜をリーダーにするだけで、ダメージレースで結構有利になります。
逆に初期体力が低いリーダーなら、何らかの手段でこれを覆さなければなりません。

総呪力差

ダメージレースは「呪力を打点に変換する」ゲームなので、その元になる総呪力量は勿論大事です。
基本的に両プレイヤーが貰える総呪力は同じですが、いつもそうでは限りません。一番よく見る呪力差は、事故先後手差です。
事故れば当然貰える総呪力が減ってしまう。それも、事故が早ければ早いほど差が広がっていく。T5でスペルが1回止まるとT15までに呪力差5ができてしまうが、T11でスペルが1回止まっても2点しか差が付かない。
そ して、先手プレイヤーはそのターン中に後手より多くの呪力を貰っています。事故ってない場合、T15開始の時点で先手プレイヤーが貰っている呪力は 1+2+・・・+8=36ですが、後手プレイヤーは1+・・・+7=28です。スペルをセットするだけで、このターン中に総呪力差8が出来ています。これ が先手有利の原因の一つでもあります。(勿論これだけではありませんが)
他にも《満月光線》など、そのまま総呪力差を作れるカードも存在します。

呪力損耗差

最後は、呪力を打点に変換する効率です。
まずは、「呪力損耗」というものを説明しましょう。

簡単に言うと、 消費呪力-産生打点 。ただし攻撃スペルは呪力を発生できないので消費呪力+1とします。
貰った呪力が同じであれば、こういう呪力損を抑えた人の総打点が高く、勝ちやすいというわけです。

例えば《結界「夢と現の呪」》は呪力1の攻撃2、迎撃1。これを呪力損耗に換算すると:

攻撃損耗=起動呪力1+攻撃用消費1-攻撃点2=0点。
迎撃損耗=起動呪力1-迎撃点1=0点。

となる。これは非常に優秀な数値です。
逆に《月符「サイレントセレナ」》は:

攻撃損耗(差)=起動呪力6+攻撃用消費1-攻撃点4-防壁1(相手の迎撃を下げるので、相手の呪力損耗が上がる)=2点。
迎撃損耗(差)=起動呪力6-迎撃点2-防壁1=3点。

となり、つまり《月符「サイレントセレナ」》で迎撃する度に呪力損耗差を3点作られます。
これはスペルだけじゃなく、特殊能力やイベントにも適用します。例えば《式神強化》は損耗1で、妖夢のリーダー能力は損耗2です。

普通は呪力損耗差1点≒総呪力差一点なので、計算の方便上、ここまでのゲームでの(総呪力差-総呪力損耗差)を簡単に「損耗差」と呼びます。呪力差がネガティブ方向に大きければ損、ポシティブ方向に大きければ得、というイメージでOKです。

呪力損耗基本計算小テスト

基本原則

では、これらの差額はどうやって勝負に影響するのか?
目安をつけるとしましょう。初期体力差+損耗差>0なら基本的有利、<0なら基本的不利、です。
理屈は簡単です。(基本的に)呪力なくて打点は生まれない。だから損耗差をキープしている限り、初期体力差が逆転されることはない。
ただし、これはあくまで目安です。特に詰めの時には、普通に精算の方が精確です。序盤~中盤の状況判断として使いましょう。
初期体力差はデッキ構築の時に決まったから、プレイングの原則はただ一つ:損耗差を作りましょう。

損耗差の作り方

じゃ、どうすれば損耗差を作れるのか?
一般的な手段を挙げると:

効率のいい(呪力損耗が小さい)スペルで戦闘する

基本中の基本です。自分の損耗0のスペルと相手の損耗1のスペルで戦闘すれば、それだけで損耗差1ができます。

式に直すと:
X=自分のスペルの呪力損耗
Y=相手のスペルの呪力損耗
戦闘による損耗差=Y-X

スペルを起動する時は、このの戦闘による損耗差を考えましょう。

回避する

宴の真髄です。回避による利点は2つ:
A=相手のスペルの打点が入らない。つまり相手がそのスペルの起動に使った呪力はそのまま損耗になる
B=自分のスペルが準備状態にならない。つまり自分がそのスペルの起動に使った呪力はそのまま浮く

普通は攻撃時B>Aで、迎撃時はA>Bになる。更に、
C=自分が回避のために使った呪力
D=元々の攻撃損耗
を加えると、
回避による損耗差=A+B-C-D
になります。

実際に計算してみよう。

《「紅色の幻想郷」》攻撃、《蘇活「生命遊戯 -ライフゲーム-」》迎撃。レミリア側が《パターン避け》を使って回避。生まれた損耗差はいくら?

A=《蘇活「生命遊戯 -ライフゲーム-」》の起動呪力=2。
B=《「紅色の幻想郷」》の起動呪力=5。
そして、《パターン避け》に使った呪力3を引く。
最後に、《「紅色の幻想郷」》自身の攻撃損耗=1を引く。
答え:2+5-3-1=3。3点の損耗差が生まれます。

非常にいい加減な見方をすると、お嬢様の体力が21になったみたいな感じです。
もう1つの例を見てみましょう。

魔理沙リーダーで《魔符「スターダストレヴァリエ」》攻撃、《仙符「鳳凰卵」》迎撃。魔理沙側決死。生まれた損耗差はいくら?

A=《魔符「スターダストレヴァリエ」》の起動呪力=1。
B=《仙符「鳳凰卵」》の起動呪力=1。
決死に呪力4使って、《魔符「スターダストレヴァリエ」》の攻撃損耗は0。
1+1-4-0=-2。そのまま迎撃を受ける(損耗差0)よりも、2点損してしまった。

ダメージレースの時の回避はこのように、損耗差の計算が可能です。するかどうかの判断には助けになるでしょう。
ちなみに回避イベントを命中イベントに合わされた場合、その呪力差もそのまま損耗差になる。《パターン避け》を《ピンポイント》で打ち落とされたら通常の双方命中の上に損耗差-1、みたいな感じで。

決死の構え

そのまま両方パスすれば決死、という状況が決死の構えです。
これはぶっちゃけ後出しジャンケンです。相手が命中補正を使わなければ当たらず、使っていればこっちは決死代償を払う必要が無い。先撃ちの必要がある回避補正と訳が違います。

例:
相手の《時符「シルバーアキュート360」》相手に、慧音(妖怪)リーダーで《虚史「幻想郷伝説」》か《未来「高天原」》の中から攻撃スペルを選択します。計算してみましょう:

《虚史「幻想郷伝説」》攻撃、そのまま決死:2+5-3-2(防壁が効いてないので攻撃損耗2)=2。
《虚史「幻想郷伝説」》攻撃、《離剣の見》を撃たれる:2(《離剣の見》)+0-1=1。
《未来「高天原」》攻撃、そのまま撃墜:0-1=-1。
《未来「高天原」》攻撃、《パターン避け》を使って回避:2+5-3-1=4。
《未来「高天原」》攻撃、《パターン避け》を使い、《離剣の見》で落とされる:0-1+2(《離剣の見》)-3(パターン避け)=-2。

つまり《虚史「幻想郷伝説」》はどっちにしても得はするが、《未来「高天原」》ならイベント回避成功の時に大得する代わりに落ちてしまうと損になる。
回避しても儲け、撃墜されても儲けという状況を作れるのが決死の構えです。相手へのプレッシャーが格段に違うので狙っていきましょう。

スルー・変則起動

勿論ですが、スルーされた攻撃スペルは回避したも当然です。
この場合、相手は迎撃スペルなし→B=0なので、まぁ簡単に言うと攻撃スペルの打点がそのまま損耗差になります。正規起動なら呪力1のペナルティを引きます。
更に、《高速詠唱》などの変則起動は、消費呪力=そのイベントや特殊能力の消費呪力になり、その上に(攻撃充填に立てたのなら)攻撃スペルの呪力1ペナルティを受けません。

有名な例を挙げると:

T1《結界「夢と現の呪」》、相手が呪力1迎撃が無くてスルーされる。
損耗差は2-1=1です。

《高速詠唱》からLv4《魔砲「ファイナルスパーク」》、相手警戒してないのでスルーを喰らう。
消費呪力5の打点6だから、まず変則起動だけで損耗差1が出来る。更にスルーによる損耗差6(=打点)を加え、ペナルティなしだからこのプレイだけで損耗差7です。
姫様がお嬢様になります。絶対に警戒しておきましょう。

《鬼気「濛々迷霧」》を命中できるスペルが無くて、やむ得ずスルー。
5-1=4です。酷いです。鬼畜です。

《「紅色の幻想郷」》相手にスペル1枚だけ起動したら《畏怖すべき存在》を喰らってスルーになった。
5-1-3=1です。実はそんなに差が広がりません。
ただし、迎撃スペルは次ターン呪力を生めないので損耗が1上がる。実質損耗差2と見てもいいでしょう。

見ての通り、大型スペルをただでスルーすると非常に痛いです。が、相手が代償を払うとそうでもなくなったりします。
また、呪力1スペル辺りならスルーしても大したことにはなりません。(序盤からスルーを重ねると累計してバカになりなくなりますが)

スルーの判断はしっかりしましょう。無闇な中型以上のスペルをスルーのは完全にアウトです。

常時効果サポート

サポートは、一旦呪力を預けて、後から回収するものです。
張った時は損をするが、先行投資というものです。
効果が発揮する度に回収するので、多く発揮させればさせるほど得する。よって、一般的にサポートは最速で張るのが原則になっています。

筆頭の《オーレリーズソーラーシステム》を見てみましょう。
呪力代償が2なので、張って時点で一旦損耗差-2が出来ます。
そして戦闘へ。ヒットして、呪力+1・打点+1。つまり損耗差2。1回の戦闘でプラマイゼロになりました。
サポートなので当然後も使い続けられて、これが総計4回当たると損耗差6が出来上がります。《「紅色の幻想郷」》で2回回避するのと同じ効果です。

弱化サポートや回復サポートも同じです。
《回復薬》は1回の発揮で損耗差1、3回発揮すればプラマイゼロになり、その後毎回損耗差1を稼いでくれます。
ここで注目すべきのは、強化・直ダメ/弱化・回復サポートの差です。先も言いましたが、サポートは、多く発揮させればさせるほど得します
強化サポート試合を短くする。逆に、弱化・回復サポートは試合を長引かせる。なので、弱化・回復サポートの方が勝負に与える影響が若干大きい。(当然、その試合中に発揮続けられる場合に限りますが)

ちなみに起動形サポートは配置呪力がそのまま損耗になる。

呪力を余らせる

どっちかというと相手の自爆ですけどねこれ。

《結界「夢と現の呪」》は両面損耗0。じゃこれでしか戦闘すれば損耗差ずっと0じゃん、あたいってぱさいきょーね!

勿論それは違います。呪力が余ってしまうから。余った呪力は、損耗がどんなに小さくても打点にはなりません。
だから損耗が大きくても徐々に大型スペルをシフトします。
相手の呪力を余らせるより、自分の呪力が余らないようにしましょう。

呪力差計算小テスト

And Then?

損耗論はここで一旦打ち切ります。次回は「詰め」についで説明したいと思います。

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